きみに読む物語 あらすじと評価

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あらすじ

老人ホームで、男性が認知症の女性に物語を読んでいます。彼女はその話が大好きで、彼に読んでもらうととても気持ちが落ち着くのです。それはこんな物語でした。

ある夏、貧しい青年ノアは田舎に遊びに来たアリーに一目ぼれします。やがて2人は愛し合うようになりますが、夏が終わるとアリーは街に帰ってしまいます。

ノアは毎日アリーに手紙を出しました。けれど返事は一度も来ませんでした。やがてアリーは親のすすめでお金持ちとの結婚を決めますが、偶然ノアの消息を知ります。アリーはノアに会わずにはいられませんでした。

そして、お互いが相手を思いながらもすれ違ってしまっていたことを知るのです。長い離れ離れのときを経て、2人はとうとう結ばれたのでした。

恋愛映画の歴史に残る、美しい愛の物語

それほど目立つ映画ではありません。一見、ありふれた恋愛映画のようにも見えます。

貧しい青年とお金持ちの娘のひと夏の恋。親の干渉によるすれ違い、お金持ちの男性の登場、そして再会という、よくあるストーリー。それがどうして、これほど多くの共感を呼び、記憶に残る恋愛映画になったのでしょうか。

映画の中のノア(ライアン・ゴズリング)とアリー(レイチェル・マクアダムス)のキスシーンは、MTVムービー・アワードで2005年度の「ベスト・キス」に選ばれました。もっと情熱的で美しいキスシーンはほかにもたくさんあったかもしれませんが、『きみに読む物語』のあの瞬間、2人の感情が爆発的にあふれ出し、あれほど思いが伝わってくるキスシーンはほかにはなかったと思います。

ノアはひたすら一途にアリーを愛し続けます。そして、希望のない貧しい環境の中でも一生懸命に前を向いて生きていきます。そんなノアをそっと見守る寡黙な父親。ノアは小さい頃に吃音があったのですが、父親と詩の朗読をして上手に読めるようになったというエピソードが出てきます。このエピソードは映画の最後の部分の感動をより大きくするのですが、父親のノアへの愛情がとてもよく伝わり、父親の愛がノアとアリーの愛を後押ししてより深めてくれているのだということがわかります。

悲しい別れになってしまいそうなところを、切なくなるほど幸せなハッピーエンドにしているのがこの映画の素晴らしいところです。そして、もう一つのハッピーエンドにただ、ただ涙が止まりません。捉え方によっては悲しい終わりかもしれませんが、私にはハッピーエンドに思えます。

『きみに読む物語』という邦題は本当に素敵ですが、『notebook』というシンプルな原題にも惹かれます。原作となった小説も、ぜひ読んでみてください。

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